
代表 中村 裕
神奈川県横浜市出身
ペットシッター
ドッグトラベラー
保有資格:
JKC愛犬飼育管理士
この道に入ったきっかけ
以前、地盤調査測量という仕事をしていたのですが、やっぱり動物が好きだから、動物に関わる仕事がしたいと思って、動物の薬や餌を営業する会社に転職しました。
そして北海道の帯広、十勝に赴任することになり、牧場などの家畜施設に営業に回っていました。
でも、動物が好きで転職したものの、家畜と愛玩動物は全然違っていて。
仕事では家畜の結構辛いシーンを見ることが多かったので、精神的にきつかったです。
耐えられないくらい辛いシーンをいっぱい見続けて、途中でお肉が食べられなくなったこともありました。
僕は乳牛の担当が多かったのですが、牛をひどい扱いする牧場主さんが多かったです。
乳量が減ると生産性が合わなくなってくるので、屠殺されるコもいます。
肉になるほうの牛は比較的幸せに暮らしているコは多いんですよ。といっても最後は屠殺しないといけないんですけどね。
そこのシーンは、どの牧場主さんも「辛い」と言っていました。牛も涙を流しますからね。
その仕事を一年くらい頑張ったんですけど、とにかくメンタルが相当やられてしまって、「動物が好きなのになんでこんなに辛いところばっかり見なきゃいけないんだろう」って思って。
だったらもう自分でやるしかないなと思って、独立を決め、会社を退職しました。
そしてペットシッターを始めることにしました。
僕、カナダ、オーストラリア、中東など、海外にちょこちょこ行っていたことがあって、海外の犬と飼い主を見る機会がよくありました。
海外に滞在中は「日本って、犬と一緒にハイキングに行っている人がいないな」ってよく思っていたんです。
アメリカとかカナダとか、犬と一緒にハイキングに行って、自然を楽しむ、っていう人が多かったので、日本でそれをやりたいなと思いました。
そしてドッグトラベリングというサービスを始めることにしました。
僕自身が旅が好きというのが、一番のきっかけだったのかなとも思います。犬にも旅をさせてあげたいなって。
日本も、もっと犬にも楽しみを与えられる社会になればいいなと思いながら、やっています。
林間学校じゃないですけど、そういう感じのイメージですかね。
中東地中海一人旅
記憶に残るエピソードは?
ドッグトラベリングは、愛犬を日帰り旅行に連れていくサービスですが、飼い主さんは最初は大体心配されます。飼い主さんは一緒に行かないのでやっぱり心配ですよね。
でもあとで動画や画像で愛犬の様子を見てもらうと、「息子とか娘とかを修学旅行に行かせたような気持になりました」と言われたりします。
犬も普段の散歩では見せない表情を見せてくれるんですよ。それを飼い主さんに見せるのが一番楽しいし、やりがいがあります。
これは先日のペットシッターの仕事のときの話なのですが、普段からよく見ているコだったんですけど、身体の白いところがちょっと黄色い感じがしたんですね、耳の中とか。
最初は「あれ?目の錯覚かな?照明のせいかな?」と思ったんですけど、獣医さんに電話して、目の周りを確認するように言われ、見てみたら結構黄色くて、すぐに病院に連れていきました。検査したら、黄疸の数値が相当高くて。
ぐったりしているとか、元気ないな、とか、見た目にすぐわかる様子であれば、飼い主さんもすぐに異変に気付くと思うんですけど、その日、そのコは元気に動いていて、家の中でも走り回っていて。
普段犬をよく見ていることが功を奏したと思います。
可愛い犬には旅をさせよう!ドッグトラベリング
気を付けていることは?
トラブルとか怪我とか事故とかは絶対に起こしてはいけないと思っています。
安全な形でサービスを遂行させないといけないので、ペットシッターで散歩行くときは、他の犬とか人には近づけないようにします。飼い主さんが「大丈夫」と言われてても。
ドッグトラベリングのときは、山などに行くのですが、落石や災害が起きそうなところには行かない。
そのために下見を必ずして、安全かどうかを調査します。とにかく安全第一です。

屋号『イキモノケア』の由来は?
厳密な話をすると、実は屋号ではないんですよ(笑)
別に屋号があって、その中のペット部門が「イキモノケア」なんです。
犬のサービスなので、最初は犬っぽい名前をつけようと思っていたんですけど、僕は動物全般が好きなので「イキモノケア」にしました。
本当は英語でかっこよくつけたかったんですけど(笑)、分かりやすくて覚えやすいのがいいなと思って。
いま犬を飼っていないのはなぜ?
実家はずーっと犬がいました。でも一人暮らしを始めてからは自分では犬を飼っていません。
本当は飼いたいんですけど、この職業をしていると、犬を飼うことの大変さと、自分の犬にちゃんと時間を割いてあげられるかって考えると、ちょっとかわいそうだなと思って。

今後やりたいこと、目指していることは?
一番は、犬と一緒に外出、旅行するっていうのを、欧米並みに周知されるようになったらと思います。
そのためには犬と自然を楽しむことが素晴らしさを伝えていきたいなと。
最初はドッグトラベリングサービスを利用してもらって、自分の犬がこんなに喜んでいるんだったら、一緒に山に行ってみようかなと思ってくれるきっかけになったらいいなと思います。
ゆくゆくは自然が好きというドッグビヘイビアリスト軍団と組んで、犬と飼い主さんたちとハイキングとかできたらいいなと思っています。
ドッグビヘイビアリストのようなプロフェッショナルがいれば、問題行動が多少ある犬でも、参加できるんじゃないかなと思うし、あと人数がいればフォロー体制が充実するので、たくさんの犬に参加してもらえると思うし。
あとこれは夢っていうか、構想していることがあって、僕の父方の田舎が三重県なんですけど、過疎化が進んでいるんです。
海も山も川もあって素晴らしいところなんですけど、おそらく10年後くらいには人は住んでいないだろうというくらいの過疎地域なんですね。
そういうところで行政と手を組んで、町の活性化もふまえて、犬を自由に散歩させられる、犬に優しい町というのを作りたいと思っています。
田舎でももちろん散歩するときは犬にリードをつけないといけないのですが、柵とかをつけてリードをオフできるようなエリアを作って、町が整備管理すれば可能なのではないかと。
観光にもなるし、人も集まってくるので、町の活性化にもなるんじゃないかと思って、ゆくゆくはそれをやってみたいと思っています。